ゆるい言語活動のすゝめ

うえみずゆうきとけんぞーによる対談企画です。テキストときどきラジオ。

『これからアーティストがたくさん生まれる時代になる!?』 第50回ゆるい言語活動のすゝめ

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第50回 ゆるい言語活動のすゝめ

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テーマ「これからアーティストがたくさん生まれる時代になる!?」

けんぞー: クラウドファンディングやVALUなどで個人がお金を集める手段が増えてきました。それに伴いアーティストやクリエイターが自分で企画したイベントを実施したり、パトロンを獲得したりしやすくなったように思えますが、どう思います??

うえみず: 環境としては、「パトロンを獲得しやすくなった」と思うのですが、当のクリエイター側にその意識が低いように思えます。クラウドファンディングなどにトライしているアーティストはごくごく一部で、多くのアーティストは「何それ?」って感じだと思うんです。そう意味では、新しいサービスや仕組みに関心のある層の間で変化が起こり始めた段階という感じでしょうか。

けんぞー: 現時点でクラウドファンディング知らない人はただの情弱だなと思いますね。未だにそんな人がいるのは驚きです…。
ここでおれが言いたかったのが、クラウドファンディングやVALUを使ってもある程度知名度や実績がある人ばかりにお金が集まって、それ以外のアーティストにはなかなか集まらないのではないか。であるならば、クリエイターの増加や職業化に繋がらないのでは!?と言いたかったのですが、知らない人が沢山いるという現状ならこれは議論の仕様がないですね(笑)

うえみず: クラウドファンディングなど「知らない」という人もいますが、「知っているけど、その可能性がいまいちピンとこない」人が多いように感じます。将来的な可能性には期待しているけれど、まだまだというところでしょうかかね。
ぼく自身、プロジェクトを立ち上げたことも支援したこともまだありません。実際、けんぞーさんが言うように、無名の人には結局ハードルが高いと思います。けんぞーさんは実際にクラウドファンディングで何かアクションを起こしたことはありますか?

けんぞー: 昔、クラウドファンディングでお金もらいながらニートをしようと思ったことがありますが、さすがにみっともないので止めました(笑)あとお金をクラウドファンディングでもらってもその見返りにできることが何もなかったので。
アーティストの方々は具体的にどのような像が描ければ、これだ!と思って利用するのでしょう??

うえみず: はっきり言ってしまうと、「お金」に対してのリテラシーが低いというところでしょうか。
音楽活動を例に挙げると、たとえば楽器・リハーサルスタジオ・レコーディング・交通宿泊費・プロモーション費などなど、様々な費用がかかります。軽く企業ですよね(笑)
でも、そういう経営感覚はほぼないのが実情で、飲み屋の割り勘感覚で出費しているのに近いと思います。そのような状態では「資金調達」とは程遠い。そういうイメージです。なので、理想像よりも根本的なリテラシーの問題な気もするんですよね。

けんぞー: ローコストで表現活動できてるからお金を集める必要がないということですかね?しかし、作品を発表したり展示したりするには場所代等のお金が掛かるので、資金調達は全く考えてないわけでもない気もするんですよね。ピンとこないのは単に「クラウドファンディング?めんどくさそうだからしない」が結構多そうな気もします。

うえみず: 「めんどくさそう」というのは第一にあると思いますが、ぼくはやはり経営感覚のほうだと思います。
つくることが好きなのであって、まわす(運営する)ことが好きなわけではないということなんだと思います。開発部ではあるけれど、マーケティング部は不在という感じですね。
「広がったらいいな」とは漠然と思っているけれど、広げるためのアクションは無視して開発ばかりしている。それが悪いこととは言い切れないですが、活躍の場を広げていきたいという思いがある人ご結構そういう状態だったりするので、そこは課題感があります。

けんぞー: 表現活動をプロジェクトとして捉えきれてないということですね。
例えば、アーティストが発表をする場を作る、運営代行のようなビジネスはニーズはあると思いますか?

うえみず: それです!プロジェクトとして捉えきれていない。「いいものつくってるのに勿体ないな」って思っちゃうんですよ。 別にディスりたいわけではないんですけど(笑)
運営代行はニーズあると思いますよ。ただ、それを必要とする方はもともとビジネス的観点があまりないと思うので、警戒心がハンパじゃないと思います。信頼をつくるまでのプロセスが重要でしょうね。そして、何よりそこにお金は払わないと思います。おそらく、完全成果報酬型でしょうね。

けんぞー: 先にも言いましたが、無名の人間がクラウドファンディングやVALUをやったところで埋もれてしまうので即効性がない。とするならば、まずは場を提供するところから始めるのがいいかと思いました。リアルから徐々にネットへ。そのタイミングで場の提供者がクラウドファンディングやVALUの部分もプロデュースした方がうまくいきそうですね。

うえみず: ぼくもそう思います!
実は、そういう事情もあってNarrativeを運営しているというところもあるんですよ。インターネットで一人一人が発信できるようになったとはいえ、ある程度の声の大きさがないと何にもならない。そこを下支えしたいなと。
けんぞーさんもプロデュース視点が強い気がするし、アーティストをサポートしてみたら意外に面白いんじゃないですか?

けんぞー: 今のところ、アートの部分に興味がないんですよ。だからプロデュースは全くやりたくないです。しかもめんどくさそう(笑)
それに自分でもたまにショートショートを書いてネットに上げてるので、表現欲はそれで解消されていて、誰かの表現活動を手助けしてまで関わる必要性を感じてないんですよね。

うえみず: 確かに!けんぞーさんもアーティストですもんね!
最近つくづく思うのは、つくるのと発信するのってものすごく繋がってるんだけど、相反する頭を使うというか。だから一人の中に、その2つが共存している状態って相当難しいんじゃないかなと色んな人を見てて思うんです。それは自分もしかりで、発信視点になるとつくるときの感覚が薄まってしまうというか。
ショートショートは今後も書いていくんですよね?

けんぞー: つくるのと発信するのが違うのはなんとなくわかりますね。つくる側が発信にも長けてたらこの世から出版社やレコード会社消えそうですよね(笑)だから発信するための装置として働く人材というのは必要だと思います。
ショートショートは思いついたら書いていこうかなぁという感じですね。なんかもぅ書きたいこと書き尽くした感はあるんですけど。

うえみず: 今後、アートや広い意味での創作・表現活動はどのような道筋で盛り上がっていくと思いますか? ぼくはそういう世の中になってほしいと思っているんですが、主観が入り過ぎていてどうしてもフラットな気持ちで見れなくて。

けんぞー: いまと変わらないと思いますけどね。リアルで表現してそれをネットで拡散するみたいな。
音楽なら地道にライブをやってファンを増やして、ファンがネットで拡散、演者もSNSを駆使して宣伝、動画サイトにLIVEの様子を上げるといった感じでしょうか。少なくともネットだけで表現してそれがリアルの媒体になるというのはあまり期待しない方が良いかと。情報が多すぎて埋もれてしまうので。結局表現者が積極的にリアルに顔を出して火をつける以外にあまり盛り上がる方法がないと思います。

うえみず: 確かにそうですね。
前半部分にもありました、仕組み上のお金の集めやすさは整備されてきましたが、知名度(もしくはよっぽどのインパクト)がないとお金を集められないということにもつながりますよね。結局は、リアルで泥臭く足を使っていくということが結果的にインターネット上での拡散にもつながっていくという感じですかね。
実体を伴った表現者であってほしいという思いがぼくにはあるので、そうだといいなと思います。

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パーソナリティ

うえみずゆうき

音楽家。福岡県田川郡出身、福岡市在住。バンドhomesickのボーカルギターやソロ活動を行なう。その他、ローカル音楽メディアNarrative代表など。

Twitter @y_uemizu

けんぞー

ニート時々物書き。佐賀県在住。けんぞーのショートショートで作品公開中。

Twitter @kenzo_moratoriu