ゆるい言語活動のすゝめ

うえみずゆうきとけんぞーによる対談企画です。テキストときどきラジオ。

『不倫は本当にいけないことなのか?』 第53回ゆるい言語活動のすゝめ

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第53回 ゆるい言語活動のすゝめ

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テーマ「不倫は本当にいけないことなのか?」

けんぞー: 昨今、芸能人や政治家の不倫の話題がマスコミを賑わせています。 そこでおれなりに感じた疑問があるのでそこを話していけたらと。
おれの疑問としては、
①不倫は民事の不法行為であって刑事の違法行為ではないのに、なぜあれほどバッシングが加熱するのか。当事者ならともかく第3者が我が物顔で不倫をバッシングするのは見てて違和感がある。
②男性芸能人の不倫より女性芸能人の不倫に対してマスコミや世間のバッシングが厳しい。例えば、俳優の渡辺謙の不倫はさほどバッシングされることもなく笑って許されている傾向にあるが、女優の斉藤由貴の場合は仕事の降板までに至った。
③そもそも不倫はいけないことなのか。個人のパーソナリティに帰結する問題なのか。
以上がおれの疑問ですが、うえみずさんはどう思いますか?

うえみず: ベッキーのやつって去年でしたっけ?あれからえらいメディアに不倫ネタが出てきている印象がありますね。
1つずつやっていきましょうか。
「刑事ではなく民事の違法行為である中で、第三者がバッシングすることの違和感」ですよね。 これは個人的には論じる分にはいいのかなと思ってます。ある出来事に対して、自分なりの解釈と意見を述べること、ですね。 ただし、感情論や個人攻撃になってくると「あなた関係なくないですか?」という気持ちになります。この差はデカいと思っていますね。
けんぞーさんはどうですか?話題にあげること自体ナンセンスって感じですかね?

けんぞー: 芸能人は公人ではないので、プライバシーを無闇矢鱈と暴かれる謂れはないと思います。
政治家の場合は公人ですから不倫が発覚した場合は調査と公表が必要だと考えます。ハニートラップや機密の漏洩などの可能性があるからです。そして国民の代表として選ばれたわけですから利害関係人は有権者全般ですので、有権者に対しての説明責任はあると考えます。 だからと言って政治家が不倫をするなとは言いません。上記項目がクリーンなら仕事さえキチンとしてくれたらそれでいいです。

うえみず: めちゃくちゃ論理的じゃないですか(笑) 確かに公人のスキャンダルとは分けて考えた方がよさそうです。芸能人のスキャンダルに、第三者が声を上げることには反対しませんが、社会的にいちいち注目するほどの話題じゃないだろ!とは思います(笑)
「男性より女性の不倫の風当たりが強い」についてはどうでしょう? 芸能界でみるとけんぞーさんの言うように女性の不倫に厳しい感じがしますが、一般人では逆の印象です。完全に男性詰んでるパターンというか(笑)

けんぞー: 一般人では逆なんですね。周りに不倫した男性がいないのでなんとも言えないですが…。
芸能という世界だから男性に寛容で、女性に厳しいのかなという気がしますね。浮気は芸の肥やしなんて言い方をしますからね。 女性に風当たりが強いのを見ていると、未だに姦通罪的思想がマスコミの中にあるのかなと思いますね。姦通罪は男性の浮気は罪に問われないのですが、女性の浮気は罪になったそうです(既婚女性との浮気は男性でも罪になった)。 また、歴史的に見ても、結婚した女性は身体的・精神的・性的に男性の所有物であるという風潮が強い気がするので、それがまだ根付いているのかなという気がしますね。

うえみず: 確かに、芸能界のような華やかな世界に限定すると、男性の所有物的な側面が強いように思います。 では、最後に「不倫はいけないことなのか。個人のパーソナリティに帰結する問題なのか?」ですが、「個人のパーソナリティに帰結する問題なのか?」という部分が興味深いですね。 けんぞーさんはどのようにお考えですか?

けんぞー: 芸能界に限定せずに見ても所有物的側面が見られます。これは婚姻やその土地毎の性慣習を見ても明らかです。マスコミが報じるのでそのように見えるだけかもしれませんね。
不倫はイケないことなのか。これは民事上不法行為なので現代社会においてはイケナイことです。民法では婚外セックスも不貞行為とみなします。ではその不貞行為が個人のパーソナリィに必ずしも帰結するものなのかについてはノーだと思います。
確かに浮気癖がある人はいます。 これに関してはパーソナリィに帰結すると言えるでしょう。しかし、浮気癖がない人が配偶者以外の人と恋愛をする、セックスをするのには理由があります。それは配偶者を異性と見ることができない場合、そうなると婚外で恋愛してしまうパターンが生じえます。何年も同じ人に恋愛に似たときめきを持つのは難しいでしょう。
もう一つは性欲のギャップです。 自分は配偶者とセックスがしたいのけれど相手がそれを受け入れてくれないパターンです。 これは若年者でもあり得ますし、ましてや中高年だとなおさら生じやすい問題です。これらから不倫は必ずしも個人のパーソナリティに帰結せずに偶発的に生じてしまう場合があるといえます。
これを踏まえてもやはり不倫はイケナイことだとおれは思います。 なぜなら不倫は民事上の不法行為であるからにほかなりません。これを公に許してしまうと現在の婚姻制度は破綻します。また恋愛格差がさらに拡大する恐れがあるからです。 しかしながら、パートナーに性的魅力を感じない、もしくは性欲ギャップの話は放っておける問題ではなく、対策が必要だと思います。

うえみず: いまだかつてない熱量とロジックですね!(笑)
ぼくは結婚制度って基本的にはまやかしだと思っているが、一番重要なポイントって、恋愛格差だと思うんですよ。 多夫多妻のような自由な感じになっちゃったら、モテる人とモテない人の格差できっと大変なことになるでしょうから。 で、まあ結婚によって1対1ということでマクロでのペア組みは保たれるわけですが、まあこの性欲というやつは一筋縄ではいかないわけです(笑)何せ人間の三大欲求ですからね。 「食事(栄養)はきちんと摂りましょう。」「7〜8時間は眠りましょう。」とか当たり前に言われているのに「週何回かセックスをしましょう。」という声は聞こえてこないのは不思議です。性的なものに対するタブー感は、尋常じゃないですね。
対策としては、そういうタブー感を打破る何かが必要なんじゃないかと思っているんですが、けんぞーさんは何か具体的なアイデアはありますか?

けんぞー: 最近不倫を社会学的見地から見てみようという本(坂爪真吾著書 はじめての不倫学 「社会問題」として考える)を読んだので今回はそのアウトプットも兼ねてます(笑)
日本という国は不思議な国で、ポルノ大国だと言われますが、性に関して大っぴらに出来ない。タブー視の打開策は現状ないでしょう。 ヨーロッパや欧米のようにセックスがないことが不幸だと言えない国ですから対処しようもないですし、性教育も諸外国と比べると遅れまくってますからね。ただ、セックスに関する悩みを抱えているカップルがいるのは現実なので不倫に走る前に相談できる機関があれば良いんですが、それも日本だとメジャーではないですし…。
強いていうならば、不倫や浮気、風俗を公認するか、もしくは離婚ですかね。最高裁判例はなかったと記憶していますが、地裁レベルでセックスレスは離婚事由になると判決が出てますから。
なにかアイデア有りますか??

うえみず: そうですね、「セックスがないことを不幸」とはおおっぴらに言えませんね(笑)不眠は不幸だ!とか、飢餓は不幸だ!とかは簡単に言えているのに。 性欲は人間の三大欲求の1つであると認めておきながら、タブー視されているという大きな矛盾。やはりこの認識をくつがえすには文化をつくるしかないですよ。アイデアとしては、石田純一のような人を閾値を超えるまで増やし続ける!ですかね(笑) ある一定数を超えたら、まあもう不倫とかどうでもよくない?という雰囲気になるんじゃないでしょうか。閾値を超えるまでに多くの人生が詰んでいくでしょうが。

けんぞー: 既婚者に独身者が群がったらなかなか恋愛できない事態に陥るので、それはそれでヤバいですね(笑) まぁそれをどうやって閾値まで増やすのかのハウツーはどうするかというと、現状そこまで開き直って不倫できる人はいないでしょうけど。
現実的にはカップル向けのカウンセリングを拡充させるしかないですね。匿名や対面でなくても対応できる環境を整えていけばいいんじゃないでしょうか。

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パーソナリティ

うえみずゆうき

音楽家。福岡県田川郡出身、福岡市在住。バンドhomesickのボーカルギターやソロ活動を行なう。その他、ローカル音楽メディアNarrative代表など。

Twitter @y_uemizu

けんぞー

ニート時々素人物書き。佐賀県在住。けんぞーのショートショートで作品公開中。

SNSの類はやっていません。御用の方はこちらのメールアドレスまで(携帯のキャリアのメールから送られると、返信するとき届かないことがありますので、設定を変更してお送り下さい):koga.ken.20xx@gmail.com